日本を代表する映画監督・羽佐間耕平の新作映画の準主役に大抜擢された若手俳優の鮎川真琴。しかし、実力派揃いのキャストの中で、見た目だけで演技に自信のない真琴は、大正時代の退廃的な画家という難しい役どころに惑い、追いつめられていく。縋ることができるのは、突き放すような視線で真琴の弱さを見抜き、それでも静かに受け止めてくれる助監督・阿久津郁馬の存在だけ。
本物の輝きを手に入れたい―苦悩し足掻いた真琴は、自らを汚すため、阿久津に身を委ねることを決意するのだが―!?
本物の輝きを得るために、一本の映画にすべてを賭ける男たちの、情熱と艶―。
大正時代のロマンティシズムと若き俳優の焦燥が綾なす、久能千明のスペシャル・ロマンス。3連休中って事で時間を掛けて読書ができるって事で、やっと読みました!
久能千明新作
『フェイク・ダイヤ』「グレイ・ゾーン」の頃から考えると久々の単行本ですね。
今回も読み応えありました。つか、久能さんの作品って私単行本しか読んだ事ないかも?
今回のお話はいわゆる芸能界が舞台で俳優が主役の話ですが、そうですね〜映画そのものの話がメインではないですね。あくまでも、若手俳優・鮎川真琴の俳優としての葛藤、そして知らないうちに阿久津という男に恋をしていたせいでの複雑な心情、葛藤がメインです。なので、こういう心理描写が細かいお話が苦手な人にとってはかなり疲れる作品かも?
ま、私はこういう細かい描写の方がよりリアルに想像できるし、主人公に感情移入しやすいので大好きですけどね。
とにかく、かなり心情の動きが細かいのでこれは読んでみないと分からないって感じかな・・・。読み手からすれば、真琴の気持ちも阿久津の気持ちも分かるんだけど、なんだろう?いわゆる漫画とは違って文なのでキャラの表情で分かるとかじゃないんだよね。本当にちょっとしたキャラが発する言葉のニュアンスとか間とかしぐさで変化がわかっていくって感じなんですよね。なので、読み始めたらあっという間に没頭して一気に読みました。
しかも中盤のちょっとドロドロっぽい感じに比べて、ラストはなんとも爽やかな純愛ものっぽい終わりで、読んだあとなんかスッキリしますね。うん、結構好きな作品です。
オススメです。